茅野の自然・歴史・民俗・産業について、資料の展示・収集・保管・研究にあたる八ヶ岳総合博物館。子どもから大人まで、楽しみながら学習・調査研究を深める取り組みのなかで、地域住民がフィールドワークや科学工作などに携わる「市民研究員」の活動があります。現在「植物」「シダ」「キノコ」「コケ」「天文」「実験工作」「語り伝承」の7グループがあり、そのうち4グループによる活動紹介と、グループごとの分散会に参加し、活動の一端を体験しました。「会員同士の情報交換が楽しい」「仲間が増えるとうれしい」といい、興味を深め地域に広げる取り組みにやりがいをもって臨む姿が印象的でした。
専門家が指導にあたり、月1~3回程度活動している「市民研究員」。4グループの活動紹介では、代表者が取り組みの内容や地域での活動支援、やりがいなどを発表。参加者からは「好きな活動をとおして皆さんイキイキされていた」「いろいろな活動があることがわかり興味深かった」といった声も。
ふだんの活動の様子を知ってもらおうと、分散会で活動の一端を体験。キノコグループでは顕微鏡で胞子の観察、実験工作グループではさまざまな工作キットを組み立てて遊んでみました。
語り伝承グループでは地域の語りべにお話をうかがい、聞き書きの冊子をつくる取り組みについて、天文グループでは冬の星座などの講義を受けました。
ふだんの活動では、諏訪人気質という独特の気風の中で年を重ねてきた語りべの皆さんの話をうかがっています。私たちに生きる知恵と勇気を与えてくれる悲喜交集です。サロンでは活動に関心をもって聞いてくださいましたが、若い方から日程の調整ができないという話もあり、今後の課題です。こういった機会は横の糸を広げ、多くの市民が地域のことを知るきっかけになるので、ぜひ続けてほしいです。
八ヶ岳の裾野を土台とし市民が自らの手で主体的に研究する「生きた学びの姿」を参加される皆さんに見ていただき、興味がわいたら一緒に活動してほしいという願いから企画しました。サロンでは市民研究員活動の全体像をお話しし、分散会ではミニ体験をしていただきました。サロン後、3名の方が活動に参加されています。この八ヶ岳の裾野の自然や文化の魅力を市民研究員活動で深め、さらに多くの皆さんに伝えていってほしいと願っています。