茅野市内では地区ボランティアの皆さんがそれぞれ独自の活動を展開しています。そのなかから豊平地区ボランティアの会の皆さんに、茶のみサロンや料理教室、お年寄りへの宅配弁当づくりといった食にまつわる活動についてうかがいました。弁当づくりでは、天寄せなどの郷土料理や味わいを考えたメニューなどひと工夫。人気の「白和え」「凍み豆腐の卵とじ」を実際につくって試食し、日々の集まりに参加したような雰囲気を楽しみました。「ボランティアの枠にとらわれず、好きなときに好きなことを楽しんでいる」といい、生き生きとした暮らしぶりが人から人へ届けられているという印象を受けました。
宅配弁当に必ず入れるという「白和え」と、地元の食文化を生かした「凍み豆腐の卵とじ」という2つの人気メニューを参加者もいっしょに試作。定番以外でも「雑誌で見つけた新しいメニューを取り入れてみたり、いつもアンテナ張ってるんだよね」と。
試作メニューの他に、各家庭ご自慢の漬物の数々や混ぜご飯、天寄せなどを手際よく並べて会食タイム。「おいしい!」と自然と会話が弾みます。“寒天名人”が、おいしい天寄せをつくるコツやレシピも伝授。
健康料理教室や宅配弁当、きのこ狩りなどの交流、手先を使う作品づくりなど、「ボランティアの会という枠であまり考えず、“手伝ってよ”と声をかけあってやっている」と会員の皆さん。参加者には他地区のボランティアの会の方も多く、「楽しそうだねえ」「参考にしたい」と情報交換も。
少人数ではあるけれど、マイペースでできることを和気あいあいと活動しており、豊平地区の事業において、地区ボランティアの協力は欠かせないものになっています。「みんなのサロン」ではふだんの活動を報告しました。まとまりのある集まりだと誇れます。
地域が持っている魅力に光をあてる、というコンセプトでテーマを考えたとき、すぐに「ひと」と思いつきました。地域の高齢者にお弁当を届ける取り組みをしているボランティア団体のみなさんは、集まる、話す、つくる、笑う、食べるが大好きな人たちばかり。お弁当のおかずは、高齢者が食べ慣れたもの、懐かしいもの、地域の味を選びます。「食」×「ひと」が、高齢者のみなさんにも笑顔を届けていることを、改めて感じました。
郷土料理や話題の食材、定番メニューなど、さまざまに工夫した料理を通じて、声をかけあい、食べる楽しみや、人・もの・こととつながる大切さを実感しています。「手づくりならではのあたたかさを手から手へ…」改めて大切な活動をしているんだねと、活動の振り返りにもつながるいい機会になりました。これからも楽しく、無理をしすぎないように活動を続けていって、今までの知識や伝統・文化に加え、新しい考え方やパワーを取り入れてさらに充実した地区になっていけばうれしいです。