Profile

地域の音、身近な音―〈音風景〉。レコーダーを向けた先には、くらしの中で見過ごしてしまうささやかな景色、豊かな自然や季節の気配、見慣れたものの新たな一面、そして録音者の“まなざし”があります。耳で聞くことをとおして感じることのできる風景が、音源の数だけ存在しているのです。 そんな〈音風景〉と、さまざまな表現をかけあわせて「PLAY」(遊ぶ・演奏・上演・再生)するのが、「PLAY with Soundscape―音風景の可能性―」。サウンド・インスタレーション、ダンスとのコラボレーション、公募作品発表、コンサートとシンポジウムを通じ、地域の魅力がつまった音風景の新たな可能性を探ります。

庄野 泰子
音環境デザイナー

音環境の調査・研究を経て、デザインを実践し、国内外の賞を受賞。
茅野市民館の音環境デザイン「coMIMInication」を手掛け、それと連動する「音風景ワークショップ」を継続して行う。本企画「PLAY with Soundscape―音風景の可能性―」のプログラム・ディレクター。武蔵野大学環境学部講師。

今井 慎太郎
作曲|サウンドアート

音や物の微細な運動を剪定し矯正することで創作を行う。国立音楽大学およびIrcamで学んだ後、文化庁派遣芸術家在外研修員としてドイツのZKMにて研究活動を、またDAADベルリン客員芸術家としてベルリン工科大学を拠点に創作活動を行う。国立音楽大学専任講師。 www.shintaroimai.com

Monochrome Circus
モノクロームサーカス

京都を拠点に「身体をめぐる/身体との対話」をテーマに国内外で活動しているダンスカンパニー。ソロやデュオを踊りきる力量を持ったダンサーで構成され、コンタクト・インプロヴィゼーションを活かした有機的なアンサンブルが持ち味。国内外の振付家や他分野のアーティスト、地域コミュニティとの共同製作など幅広く作品を製作している。
 

足立 智美
パフォーマー/作曲家

ヴォイス、各種センサー、コンピュータ、自作楽器によるソロ演奏、作曲、音響詩、舞台音楽など幅広い領域で活動。 またインスタレーション作家、映像作家としても活動。非音楽家との大規模なアンサンブルのプロジェクトも行う。テート・モダン、ポンピドゥー・センター等で公演。DAADよりドイツに招聘。 www.adachitomomi.com

ピエール・マリエタン
作曲家

P.ブーレーズ、K.シュトックハウゼン等に師事。国立パリ・ラ・ヴィレット建築学校/都市音楽音響研究所所長などを歴任。音楽・建築・環境をテーマとして作曲・創作・演奏活動を行う。1998年より毎年、建築音楽環境会議を主催。 研究成果は『SONORITÉS』として継続的に出版されている。
www.pierremarietan.com

ブリュンヒルド・フェラーリ
作曲家

リュック・フェラーリとの協働により、フランス・カルチャーやラジオ・ケルン、ベルリン・ドイツ文化放送などで番組を製作。フェラーリの莫大な音源資産を管理供することで、「プレスク・リヤン賞」を実施している。
www.lucferrari.org
 

武邑 光裕
札幌市立大学デザイン学部教授

メディア美学研究分野を開拓。またメディア環境学の創成と創造産業・創造都市を軸にした創造経済研究。 札幌メディアアーツ・ラボ所長。実行委員会副会長をつとめる札幌国際芸術祭のテーマ「都市と自然」にはサウンドスケープも含まれている。著書に『記憶のゆくたてーデジタル・アーカイブの文化経済』等。

古谷 誠章
建築家・早稲田大学教授

早稲田大学理工学部建築学科大学院修了。文化庁芸術家在外研修員としてスイスの建築家マリオ・ボッタ事務所に在籍。 1994年八木佐千子とNASCAを共同設立し、やなせたかし記念館、高崎市立桜山小学校などを設計。茅野市民館の設計で、日本建築学会賞・日本藝術院賞などを受賞。著書に『Shuffled』『がらんどう』『「マド」の思想』など。

水野 誠一
日本文化デザインフォーラム理事長

西武百貨店代表取締役社長、慶應義塾大学特別招聘教授などを経て、1995―2001年参議院議員を務める。現在、(株)IMA代表取締役として企業・行政のコンサルタントを務める傍ら、日本デザイン機構やThink the Earthの理事長など文化活動に力を入れている。
 

やすみ りえ
川柳作家

恋をテーマにした川柳が幅広い世代から共感を得る。多数の公募川柳の選者・監修を務め、また全国を巡り「言葉について考えるワークショップ」を開催し、子供達へ言葉の魅力を伝える。文化庁文化審議会国語分科会委員。 信濃毎日新聞「恋の五七五」の選者も努める。最新句集に「召しませ、川柳」(新葉館出版)。

ロベルト・バルバンティ
パリ第8大学教授

フィレンツェ大学他にて哲学、コンピュータ音楽、実験音楽を学ぶ。パリ第1(ソルボンヌ)大学で "Art and Science of Art" の博士号取得。 専門は現代アートとニューメディア・アートの理論と実践。国立パリ・ラ・ヴィレット建築学校/都市音楽音響研究所所長も努めている。『SONORITÉS』誌を創設、共同編集。