企画展
中林忠良展 銅版画―腐蝕と光
移ろいゆく自然、かけがえのない生命へのまなざし 地域ゆかりの作家を紹介してきた茅野市美術館では、日本版画界を代表する銅版画家で、茅野市・蓼科にアトリエを構える中林忠良(1937-)の展覧会を開催します。 中林は東京に生まれ、幼少期を疎開先の新潟で過ごします。東京藝術大学在学時に現代銅版画の先駆者・駒井哲郎に師事。繊細で奥深い精神世界とその制作工程に惹きつけられ、油彩画から銅版画の道へと進みます。 なかでも腐蝕銅版の技法を用い、現代社会の矛盾や問題点を問うような作品を描き、独自の作品世界を築いていきます。また、東京藝術大学にて後進の指導にあたり、現在は同大学名誉教授を務めます。 1970年代半ば、渡欧経験などを通じて転機を迎えた中林は、地に足をつけた制作へと向かいます。大地や草をモチーフとし、「すべてくちないものはない」という観念から〈Position〉〈転位〉シリーズを制作。1986年に茅野市・蓼科に「山のアトリエ」を構え、さらに移ろいゆく自然の姿に感応していきます。近年は、混沌とした社会へ柔らかな光が差しこむかのような光条を、作品に描き込んでいます。 本展では、初期の油彩作品から〈Position〉〈転位〉シリーズ、最新作までを辿り、銅版画の道具や版に加え、カラーのモノタイプ作品とエッセイの言葉を展示し、思想家ともいえる中林忠良の芸術に迫ります。 |
吾亦紅、野薊、松虫草、蔦の類や 名を知らぬ草の数々。
花をつけ実を結び、あるいは種を孕んでは散らしていった、
後は土に還るだけの 立ち枯れの草々の挽歌を、
自分の生と重ねて 銅版の上で唄わすために―
会期 | 2019年7月26日(金)~9月8日(日) |
会場 | 茅野市美術館 |
開館時間 | 10:00~18:00(7月26日は10:30から開展式を開催し、終了後に開場) |
観覧料 | 一般500 円(300 円) 高校生以下 無料 ※( )内は20名以上の団体料金。 ※障がい者手帳、療育手帳をお持ちの方と付添の方1名は無料。 |
休館日 | 毎週火曜日 |
問合せ | 茅野市美術館 TEL 0266-82-8222 長野県茅野市塚原一丁目1番1号 |
作家によるギャラリートーク |
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美術講座「版画の世界」 日本とヨーロッパの版画の歴史や、自身の作品について振り返ります。 |
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銅版画体験講座「ドライポイントで描く」 ドライポイントは金属版へ直に針で描画したものを刷る技法のひとつです。作品のモデルにしたい「自分が大切にしているもの」を手元に置いて観察し、描きます。 |
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子どものための体験講座「モノタイプ版画に挑戦!」 「モノタイプ」とは、プラスチックの板などにインクで直接描き、その上に紙を乗せてうつしとる技法です。目にする身近な草花を紙にうつしとってみると普段とは違う姿が見えてくるかもしれません。 |
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特別講座「おでかけ美術館」 中林忠良の作品を学校に展示し、ファシリテーター(進行役)と児童が対話しながら作品を鑑賞。 その鑑賞体験を基に作品をつくります。鑑賞から造形表現につなぐ授業の様子を見学できる講座です。 |
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きてみて!ギャラリーツアー お話しをしながら、ガイドと一緒に展示作品をめぐります。 |
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きてみて!親子ギャラリーツアー 親子を対象としたギャラリーツアーです。ガイドと一緒に話しながら、楽しく作品を鑑賞しましょう。 |
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学芸員によるギャラリートーク |
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主催:茅野市美術館
助成:一般財団法人自治総合センター、芸術文化振興基金、公益財団法人花王芸術・科学財団、公益財団法人野村財団
後援:長野県、長野県教育委員会、茅野市、茅野市教育委員会、岡谷市教育委員会、諏訪市教育委員会、下諏訪町教育委員会、富士見町教育委員会、原村教育委員会、諏訪教育会、信州美術会、諏訪美術会、茅野市美術協会、岡谷市美術会、諏訪市美術会、下諏訪美術会、富士見美術会、信濃毎日新聞社、長野日報社、市民新聞グループ(7紙)、SBC信越放送、長野エフエム放送、エルシーブイ株式会社、月刊ぷらざ、JR東日本 長野支社、一般社団法人 長野県観光機構、諏訪地方観光連盟、一般社団法人 八ヶ岳ツーリズムマネジメント、茅野商工会議所、信州諏訪農業協同組合
協力:NPO法人サポートC 美遊com.