企画展
昭和の記憶、一所懸命の時代 英伸三展
写真家・英伸三(はなぶさ しんぞう、1936年-)が写した昭和の日本。そこには1960年代から80年代、高度経済成長期の日本社会において、時代に翻弄されながらも発展を求めて懸命に生きる人びとの姿がありました。
農業の傍らではじめた電子部品の内職や都市の建築現場への出稼ぎが、いつしか農業の衰退につながった。「金の卵」と呼ばれた若者たちは、遠く離れた都会での就職のため故郷から去った。日本の高度経済成長期を支えた、ひたむきに働く市井の人びと。英伸三の作品は、目覚ましい経済発展の裏で日々変わりゆく暮らしを捉えています。 昭和の人びとが築き上げた時代の上に、現在の生活があります。ひとつひとつの小さな変化がやがて大きな渦となって時代を変えていった、その変化を写真家としての確かな眼で切り取った作品、約110点を展示します。
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1936年、千葉市生まれ。東京綜合写真専門学校卒。日本写真家協会会員。現代写真研究所所長。農村問題などを通じて日本社会の姿を追い続けた。1992年から中国の上海と江南一帯の明、清時代の面影を残す運河沿いの鎮を訪ね、「改革・解放」の近代化政策によって姿を変えていく街のたたずまいと人びとの暮らしぶりを記録している。
主な受賞歴 個展「盲人―その閉ざされた社会」と「アサヒカメラ」の≪農村電子工業≫で日本写真批評家協会新人賞(1965年)、写真集『農村からの証言』で日本ジャーナリスト会議奨励賞(1971年)、写真展「英伸三・桑原史成 ドキュメント二人展」で第7回伊奈信男賞(1982年)、写真絵本『みず』でボローニャ国際児童図書賞グラフィック賞(1983年)
写真集『農村からの証言』(朝日新聞社、1971年)、『日本の農村に何が起こったか』(大月書店、1989年)、『一所懸命の時代』(大月書店、1990年)、『上海放生橋故事(しゃんはいほうじょうばしものがたり)』(アートダイジェスト、2001年)
農薬の空中散布 長野県飯島町 1967年 | 村まつりの宴席 長野県佐久市 1968年 | <新富嶽百景>より「石油備蓄基地」 静岡県富士市 1971年 |
集団就職で島を離れる前夜 鹿児島県種子島西之表市 1971年 | 集団就職の少年少女たちを乗せた連絡船 鹿児島県種子島西之表港 1971年 |
父親のいない冬 秋田県田沢湖町(現・仙北市) 1980年 |
主 催:茅野市美術館
後 援:長野県、長野県教育委員会、茅野市、茅野市教育委員会、岡谷市教育委員会、諏訪市教育委員会、下諏訪町教育委員会、富士見町教育委員会、原村教育委員会、諏訪教育会、信濃毎日新聞社、長野日報社、信州・市民新聞グループ(7紙)、長野エフエム放送、エルシーブイ株式会社、月刊ぷらざ、JR東日本 長野支社、(一社)信州・長野県観光協会、諏訪地方観光連盟、(一社)八ヶ岳ツーリズムマネジメント、茅野商工会議所、信州諏訪農業協同組合
協 力:NPO法人サポートC 美遊com.
【お問合せ】
茅野市美術館 (茅野市民館内)
〒391-0002 茅野市塚原一丁目1番1号
受付時間 9:00~20:00 (休館日:毎週火曜日 ※火曜日が祝日の場合その直後の休日でない日)
Tel.0266‐82‐8222 Fax.0266‐82‐8223