「富永直樹作品寄贈記念」展開催
茅野市では、昨年(平成18年)12月に、文化勲章受章者で昨年4月に亡くなった彫刻家・富永直樹氏のブロンズ彫刻をご寄贈いただく機会に恵まれました。このたびの寄贈作品「僕らの遊び場」「A PAEAN(賛歌)」は、それぞれ富永直樹氏のご長男であられる富永良太氏、および富永直樹氏と親交のあった茅野市内の会社役員の水引秀雄氏からご寄贈いただいたものです。これを記念いたしまして、茅野市で収蔵している富永直樹氏の作品を中心とした展覧会を開催いたします。 富永氏は、大正2年に長崎市に生まれ、東京美術学校(現東京芸術大学)在学中に文展に初入選を果たしました。その後は日展を中心に作品を発表し、昭和25年から3年連続で特選を受賞し、昭和43年に文部大臣賞、昭和47年に日本芸術院賞を受賞しています。昭和49年には日本芸術院会員に推挙され、昭和59年に文化功労者、平成元年に文化勲章を受章するなど、現代彫刻界の巨匠として永きにわたり活躍しました。一方で、後進の育成や芸術振興にも尽力し続けました。 茅野市内の蓼科の自然に魅せられて、20年ほど前に蓼科に別荘を構えた富永氏は、夏を中心に毎年蓼科を訪れ、自然散策のかたわら制作活動に励んでいました。まさに、この地にゆかりの深い作家の一人であったといえます。 バランスのとれた堅実な写実に基づきつつ、豊かなロマンと深い慈しみにあふれた世界を構築している富永氏の作品は、見る者に心に優しさと潤いを与えます。 このたびの寄贈記念展では、日展出品作品や身近なものを表現した愛らしい作品などを展示します。「こころ」を写しとっていく富永氏の作品の魅力とともに、氏の創作活動の懐の深さを感じ取っていただければ幸いです。 |
富永直樹 僕らの遊び場 富永直樹 A PAEAN(賛歌) |
会 期: | 平成19年3月30日(金)~4月13日(金) 初日のみオープニングのため13:00~ 10:00~19:00 休館日は毎週火曜日 |
会 場: | 茅野市美術館 市民ギャラリー(企画展示室) |
入館料: | 無料 |
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主催:茅野市美術館
後援:茅野市、茅野市教育委員会