八月十三日から十六日までのお盆の期間、先祖を奉る盆棚を普段の仏壇の前に作る。
組み立て式の特製の盆棚を置き、カトギやヨシを編んで盆ござをつくり、棚の前に下げる。下げるのは仏様がつかまって上るためだという。仏壇の中の繰り出し位牌を出して盆棚の奥に飾る。桔梗、女郎花、ミソハギなどの盆花を飾り、畑で採れた野菜や果物、菓子、精進揚げ、寿司などの盆のご馳走を供え御先祖様を迎える。盆棚の前方か両側には提灯、盆燈籠等を飾る。湯川ではお盆にお坊さんが回ってきて、お経を唱え位牌の名前を全部読んでくれる。この時に、ミソハギの花の柄に紙を捲いたものを作っておき、花の穂でお水鉢の水を振りまく。これは「迎え水」と呼ばれる。茄子や胡瓜に萱や麻ガラで足を付けて牛や馬を作り、供える。尾にモロコシの毛を使ったり、手綱として素麺の茹でたものを掛ける家もある。
明治時代から使っている組み立て式の盆棚を使っている家もあり、位牌を全部出してしまうので、お盆の間は普段の仏壇は閉めて置く。
この企画は、平成24年度文化庁「地域の遺産を活かした観光振興・地域活性化事業」補助事業です。