2020年度(令和2年度)
※当事業は文化庁「令和2年度 文化庁 地域と共働した博物館創造活動支援事業」の補助事業です。
茅野市文化芸術推進事業 実績報告
本事業は、「ちのミュージアム・ピクニック」、「ちのを編む みんなのサロン」、 |
1.ちのミュージアム・ピクニック |
茅野市文化芸術推進事業レポート
(ちのミュージアム・ピクニック) |
平成30年度は「自然と諏訪の信仰」と「縄文と八ヶ岳の恵み」、令和元年度は「八ヶ岳の恵みと人々の営み」と「凍みる冬に生きる工夫」をテーマに、分散して位置するミュージアムと、地域の文化資源のスポットをバスで巡った。参加者からは「個人で訪れるだけでは知る事が出来ない歴史や、地元の方々の生活を知る事が出来て楽しかった」という感想があった。地元紙においては開催時に「縄文時代から続く狩猟文化に焦点を当てた話を聞いた」ことや「茅野市内のミュージアムと地域の暮らしをつなぐミニツアーとして企画」したことについて記事で取り上げられた。 令和2年度はコロナ禍のため実際に巡ることは行なわず、平成30年度と令和元年度の事業を振り返るレポートを印刷物とウェブサイトで作成した。茅野市の人口は約55,000人であり、「広報ちの」18,850部にレポート(印刷物)を折込むことで、茅野市のほぼ全世帯を網羅する形で、事業の成果を伝えることができた。さらに近隣施設での配布や、過去来場者へのDMも行ない周知することができた。 レポートウェブサイト |
2.ちのを編む みんなのサロン |
茅野市文化芸術推進事業レポート
(ちの編む みんなのサロン) |
平成30年度はその1~3を開催、令和元年度はその4~6を開催(その7は新型コロナウイルスの影響で中止)。「寒天」「縄文遺跡の発掘」「郷土食とボランティア」「農業とIT」「市民研究員」「里山」を切り口に、地元大学の教授をはじめ、地元の皆さんの取組みを直接うかがった。地域の文化資源を知り、また活かし方を学ぶ機会にもなった。茅野の魅力をみつけてつなぐ事業とすることができた。特に茅野の「里山」については、里山整備に関わる地域の4つのグループがはじめて集まった。グループごとの縦割りになってしまうので、「連携の必要性」が参加者から話された。地域の“宝物”を再発見する連続企画として地元紙において開催時に「人とのかかわりやコミュニティの大切さを実感した」、「いろいろな提案があった。もっと広い視野で自分の仕事を見なければと思った。発見があり、楽しかった」と参加者の声が取り上げられた。 令和2年度はコロナ禍のため実際に開催することはせず、平成30年度と令和元年度の事業を振り返るレポートを印刷物とウェブサイトで作成した。茅野市の人口は約55,000人であり、「広報ちの」18,850部にレポート(印刷物)を折込むことで、茅野市のほぼ全世帯を網羅する形で、事業の成果を伝えることができた。さらに近隣施設での配布や、過去来場者へのDMも行ない周知することができた。 レポートウェブサイト |
3.茅野市美術館を一緒にサポートしませんか+9 |
|
地元の小学校や、他の美術館、大学などと連携し、美術館の活動やさまざまなアートについて知り、体験する講座を開催し、地域のコミュニティの中で活動する人材の育成を目指した。
きほん編 ※第1~5回までの連続講座としての受講は14人 第1回 美術館の仕事(1月31日18人) 第2回 茅野市美術館サポーターの活動(2月7日12人) 第3回 ネットで繋がる対話による作品鑑賞(2月14日28人) 第4回 他の美術館を知ろう-和歌山県立近代美術館の活動(2月23日29人) 第5回 美遊com.会を見学しよう(3月7日34人) まなぶ編 見るを楽しむ~対話による作品鑑賞~ (10月8日23人、10月9日21人、2月15日33人、2月17日63人) 対象:茅野市立湖東小学校2年生2クラス、永明小学校5年生3クラス |
本年度で特徴的だったのが、2月14日の講座内で行なった、ネットを使った「対話による作品鑑賞」である。講師として三澤一実氏(武蔵野美術大学教授)を招いた。東京の自宅から武蔵野美術大学学生が遠隔操作した分身ロボット「OriHime」をファシリテーターとした「対話による作品鑑賞」の体験に加え、茅野市美術館企画展示室と茅野市民館マルチホールに受講者が分かれ、それぞれの会場でネットを使った画面越しの「対話による作品鑑賞」を体験した。なお、武蔵野美術大学学生と東京造形大学学生と地元作家の作品を展示し、学生と地元作家も鑑賞に参加した。この講座をふまえ、2月15日と2月17日には、茅野市立永明小学校5年生の各クラスと茅野市美術館企画展示室をネットでつなぎ、ビデオ通話での「対話による作品鑑賞」を行なった。コロナ禍で、クラス単位での美術館への来館が難しいと判断したためである。教室の中でも、画面の作品を良くみて、また友達の意見を聞く児童の姿がみられた。後半では作品の作者が登場し、児童からの質問に答えた。地元紙では「児童は題名やモチーフなどを想像しながら絵画に注目した」と紹介され、児童からは「作品の見方がいろいろあり面白い。作った時の気持ちも知ることができて良かった」との感想があった。ネットを通じた鑑賞の経験が、実際の作品に向きあった時に、より鑑賞を深めることにつながることに期待したい。これらの中で、大学や地元作家とも連携し、小学校の児童を対象とした取り組みにつなげ、様々な立場の人々が交流し、学び合う機会とすることができた。受講者のアンケートには「一面だけでなく多方面からの見方が良かった」とあり、実際の現場の声や、場に触れることができたことについての評価も高かった。 |
2月14日 茅野市美術館企画展示室
ファシリテーターは「OriHime」 2月14日 茅野市民館マルチホール
2月15日 永明小学校5年生教室
|
茅野市の人口は約55,000人であり、その中で茅野市美術館では51人の市民サポーターが活動しているが、本事業を経て、連続講座(きほん編)の受講生14人のうち、新たに4人ものサポーターが加わり、大きな成果を得ることができた。 茅野市美術館を一緒にサポートしませんか+9 |
※当事業は文化庁「令和2年度 文化庁 地域と共働した博物館創造活動支援事業」の補助事業です。