主催事業
「挽歌」
原発を受け入れ。原発と共に生き。 そして原発に故郷を追われた人々。 その故郷を悼む、悲しき挽歌。
福島第一原発の地元、大熊町からの避難民が多く住む会津若松市。そこには避難民を中心とした小さな短歌サークルがあった。サークルメンバーはお互いの短歌を通して心を寄せ合い、寄る辺ない気持ちを慰め合っていた。 ある日、届いた一通のはがきには、原発を詠んだ数首の短歌が刻まれていた。 差出人は「ホームレス」。 会員たちは驚きとともに、謎の歌人の正体に興味を持つ。 東日本大震災から5年。 戻りたくても戻れない故郷。見通しの立たない不安。「原発」への複雑な思い。 復興への長い道のりを覚悟しながらも、必死に立ち上がり、前を向いて力強く歩き出す人々の物語。 出演は、舞台、ドラマで活躍している安田成美。共演には、昨年の紀伊国屋演劇賞で個人賞を受賞した高橋長英、他。
|
チケット
発売日 | 茅野市民館友の会先行発売 2016年9月10日(土) 一般発売 2016年9月17日(土) | 料 金 | 全席指定 3,500円 茅野市民館友の会会員3,000円 |
チケット取扱い
茅野市民館 Tel.0266-82-8222 (受付9:00~20:00 火曜休館) NPO法人サポートC事務局(茅野市民館内) Tel.0266-82-8230(13:00~19:00 火曜休) 茅野市:シマダヤ楽器店、ベレックLCV、諏訪市:平安堂諏訪店、岡谷市:笠原書店本店、富士見町:今井書店ふじみ店、塩尻市:平安堂塩尻店、松本市:松本井上プレイガイド インターネット取扱いEVENT-NAGANO |
あらすじ
2016年秋、会津若松市の路上で、一人の男がちびた鉛筆を手に古びた手帳をめくっていた。
そろそろ冬の足音も近く、外で寝るには危ない。
短歌サークル「梨の花」は、主宰の高山佳織を中心に今日も歌会が開かれていた。
広報に呼びかけていた短歌募集に初めての投書が届いた。
待ちに待った投書の差出人は“ホームレス”。刻むように書かれた6首はどれも辛辣な反原発歌。
佳織を含め「梨の花」メンバー3人は福島第一原発の地元、大熊町出身であり、みな故郷から逃れ会津若松で、人には言えない思いを抱えて生活している。
故郷への「挽歌」に動かされたメンバーは、それぞれがそれぞれの理由で“ホームレス歌人“に会いたいと願うが――。
作者メッセージ
『挽歌』では苦境に追い込まれながらも、原発事故という現実によって言葉を失い、黙さざるを得なかった原発地元民のリアルな悲哀を描きたい。
また短歌という表現を通すことによって、芸術的な営みが人間の心にもたらす恩恵を考えたい。
古川健
プロフィール
安田成美(Narumi Yasuda) 東京都出身。1981年にCMでデビュー。翌年にドラマ『ホーム・スイート・ホーム』でドラマ初出演。83年、『風の谷のナウシカ』のアニメ映画化にあたって募集されたイメージガールのオーディションで約7500人の中からグランプリを獲得。84年、同映画のイメージソング「風の谷のナウシカ」で歌手デビュー。89年に主演した『同・級・生』以降、トレンディードラマのブームに乗り主演ドラマが相次いでヒット。92年に中森明菜とダブル主演した『素顔のままで』では最高視聴率31.9%の高視聴率を記録した。94年にとんねるずの木梨憲武と結婚。3児の母として現在も精力的に活動をしている。02年日本アカデミー賞 優秀主演女優賞受賞。 |
高橋長英(ChoeiTakahashi) 俳優座養成所第15期卒業。舞台で活躍後、68年「二人の恋人」で映画デビュー。以降、舞台・映画・TVドラマにおいて存在感ある脇役として活躍。悲劇的な善役から狂気的な悪役まで、幅広い演技力を生かして多彩な役柄を演じている。また、独特の声を活かし、CMナレーションやラジオドラマにも出演している。主な出演作に、映画「マルサの女」「スーパーの女」「静かな生活」「風花」「それでもボクはやってない」「山桜」「奇跡」「はやぶさ/HAYABUSA」、舞台「高き彼物」「錦繍」「肝っ玉おっ母とその子どもたち」「エネミイ」「金閣寺」「かもめ来るころ」「骨唄」などがある。2015年トム・プロジェクトプロデュース「SweetHomeスィートホーム」で第五十回紀伊国屋演劇賞を受賞。 |
鳥山昌克(MasakatsuToriyama) 香川県出身。1988年当時、「状況劇場」解散後の「下町唐座」の門を叩き、「さすらいジェニー」にて初舞台を踏む。以降「劇団唐組」に名前を変えてから2011年までの22年間、唐十郎氏の元で活動を続ける。 圧倒的な存在感から繰り出される骨太な演技と繊細な表現力で唐作品の重要な役割を担う。2012年村上春樹原作「海辺のカフカ」(演出:蜷川幸雄)に出演し好評を得、昨年の再演に続き今年はロンドン、ニューヨークをはじめ海外での公演が予定されている。また映像作品においても、映画「夜を賭けて」「17歳の風景」「オリオン座からの招待状」「恋の罪」など他多数に出演。「眉かくしの霊」「幻の絵馬」など泉鏡花晩年の名品を自らの企画で舞台化し話題を呼んだ。トム・プロジェクト所属。 |
浅井伸治(Shinji Asai) 長野県出身。社会的な事象をモチーフとした作品で今、最も注目を集める劇団チョコレートケーキのメンバー。『治天ノ君』(14年)で第21回読売演劇大賞選定委員特別賞、第49回紀伊國屋演劇賞団体賞を受賞。また『追憶のアリラン』『ライン(国境)の向こう』なども各賞にノミネートされるなど好評を得る。TBS「ゴロウデラックス」NHKオーディオドラマ「吸血鬼」3月13日放送予定のNHKスペシャル「88時間」に出演するなど映像作品へも活躍の場を広げている。2015年「砦」、2016年秋にはシアタートラムにて「治天ノ君」を再演。トム・プロジェクト所属。 |
岡本篤(Atsushi Okamoto) 栃木県出身。社会的な事象をモチーフとした作品で今、最も注目を集める劇団チョコレートケーキのメンバー。劇団チョコレートケーキ第2回公演以降、全作品に参加。『治天ノ君』(14年)で第21回読売演劇大賞選定委員特別賞、第49回紀伊國屋演劇賞団体賞を受賞。また『追憶のアリラン』『ライン(国境)の向こう』なども各賞にノミネートされるなど好評を得る。 舞台以外の主な出演作は映画『セレブが結婚したい13の悪魔』、テレビ『鍵のかかった部屋』『花のズボラ飯』、大阪王将・月桂冠のCM等。 2016年秋にはシアタートラムにて「治天ノ君」を再演。トム・プロジェクト所属。 |
大鶴美仁音(Minion Ohtsuru) 東京都出身。映画「ガラスの使徒(つかい)」(監督・金守珍)にてデビュー。以来、舞台を中心に経験を踏む。2012年劇団俳小、2013年新宿梁山泊にてそれぞれ行われた公演「少女仮面」では主演をつとめる。主な出演作は舞台「秘密の花」(THEATRE1010)「ジャガーの眼・2008」「黒手帳に頬紅を」「ひやりん児」(劇団唐組)「美しきものの伝説」(主演)「赤い壁の家」(300)「案山子」(トム・プロジェクト)「星の王子さま」(主演、青蛾館)「春の目覚め」「南阿佐ヶ谷の母」(トム・プロジェクト)など。トム・プロジェクト所属。 |
作・演出 プロフィール
劇団チョコレートケーキ
2000年、駒澤大学OBを中心として結成。古川健の劇作、日澤雄介の演出という製作スタイルで作品を上演している。その作風から社会派や骨太、劇団名詐称と称されるものの、緻密な調査に基づいて練りだされる古川健のハードな台詞表現に加え、純度の高い人間関係を表出させる日澤雄介の演出により、一方的な「目撃」だけでは留めておけない劇空間を表出することを目指している。 『治天ノ君』にて2013年第21回読売演劇大賞選考委員特別賞、優秀男優賞、優秀女優賞、優秀演出家賞の四冠を受賞。その勢いは止むことなく、2014年には演劇賞に最も歴史がある第49回紀伊国屋演劇賞団体賞をも射止める快進撃が続いている。今間違いなく最も注目を集める劇団である。トム・プロジェクト所属。
出演者に聞きました
「ふるさと」への思い
心を表す「短歌」に託して
東日本大震災から5年。福島第一原発の地元から避難し、人には言えない複雑な思いを抱えながら生活する人々の姿を、「短歌」の表現を通して描く、演劇公演『挽歌』。18日(金)の茅野市民館公演を皮切りに、全国各地で上演されていきます。原発をテーマにしながら、人と人のつながりを見つめ直すこの舞台。茅野での初演に向けて稽古が進むなか、出演する女優の安田成美さん、長野県上田市出身の俳優、浅井伸治さんにお話をうかがいました。
― 安田さんは短歌サークルを主宰する佳織役ですが、福島第一原発の事故により地元大熊町から会津若松市に避難しているという設定です。
(安田)ずっと地元と一緒に生きてきた人たち。その居場所のなさがとても残酷なのだけれど、そうやって生きてきたという、違う角度から震災と原発を考えさせられるのではないか、と。そこには、いろんな人がいる、ということがまず伝わればいいなと思っています。
― 短歌という表現が出てきますが。
(安田)帰れるのか帰れないのかわからない、宙ぶらりんの状態にいる佳織さんが、短歌をやっていてよかったなあと思ったんですけど、書いたり表現したりするということは、とても前向きになるひとつの方法だと思うんです。なにかが生きがいになっているというか。震災や原発と関係なくても、悩んだり宙ぶらりんになったりする部分は誰でもある。だから、自分に置き換えられることはいっぱいあると思うんです。
― 安田さんにとって、そういう表現はありますか。
(安田)私にとっては、それが芝居という仕事。改めて考えることができて、表現する。佳織さんにとっての短歌とすごく似ているなあと思います。
― 浅井さんにうかがいますが、今回の舞台でどんなことを大切にしていますか。
(浅井)大事にしているのはふるさとの部分。自分の生まれ育った場所がある日突然なくなってしまう。ふるさとへの思いがあったにも関わらず失ってしまうという悲しさがあると思います。ふるさとというと僕にとっては亡くなった親父とともにある場所。心のなかにずっとあって、忘れてはならない場所というような。福島の話ではあるけれど、ふるさとっていいなと皆さんに感じてもらえるような芝居にしたいです。
― 社会派の題材ですが。
(浅井)社会派でもなんでも、物語世界で生きる人間らしい部分を出していくところを大事にしていて、(舞台の上の)生きている人全員、いろんな人間がいるので、その面白さやおかしみ、悲しさを感じてもらえたら。題材を勉強してもらうのではなく、人の営みを感じてもらいたいです。
― 安田さんはテレビなど映像のイメージが強いですが。
(安田)実は舞台が一番好きです。舞台はまるまる全部をお客さんにさらし、上演の間ずっと役に入り続けるますよね。緊張するけれど舞台の上でスポットライトを浴びる嬉しさもある。見に行く側でも緊張しちゃうけれど、「その場に入ったら一緒」みたいな感覚が舞台にはあって、異次元にいるような感じがあって大好きです。
― 観客の皆さんに、どんなところを見ていただきたいですか。
(安田)人の寂しさや生きる糧など、自分に移し替えて見ることがきっとできると思います。そして原発のことは、子どもたちが抱えていくことなので、未来のために大人たちが今しなきゃいけないことをもう一度考えて、感じてもらえたらうれしいです。
(浅井)ふだん自分の生活に追われてしまっている人も多いと思うのですが、そのなかでちょっと考えるきっかけになってもらえればいいなと思っています。
「挽歌」稽古より(安田成美さん(右)、浅井伸治さん(中)) |
「挽歌」稽古より(安田成美さん) |
「挽歌」稽古より(浅井伸治さん) |
多言語字幕タブレット機器の貸出サービスについて
本公演は、外国の方にも分かりやすくご覧いただけるよう、字幕タブレット機器の貸出を行います。タブレット機器に舞台上のセリフに合わせた字幕が表示されます。詳細は公演ウェブサイトをご覧ください。
◎対応言語:英語・中国語・韓国語
◎使用料:無料
※ご利用を希望される方は、チケット購入時に茅野市民館へお問合せください
■公演ウェブサイト http://www.tomproject.com/peformance/banka.html
■多言語対応公演のご案内 http://www.tomproject.com/freepage/post-196.html
■英語版 http://www.tomproject.com/freepage/banka-en.html
■中国語版 http://www.tomproject.com/freepage/banka-zh.html
■韓国語版 http://www.tomproject.com/freepage/banka-ko.html
We offer free rental service of English-subtitle tablets for the performance. For details, please visit our website.
■Performance Information "BANKA"
http://www.tomproject.com/freepage/banka-en.html
本次演出,提供“字幕导览”平板电脑的免费出租服务。详情请登录官方网站。
■演出信息≪挽歌≫
http://www.tomproject.com/freepage/banka-zh.html
본 공연은 "자막 가이드"태블릿 무료 대출 서비스가 있습니다.자세한 내용은 홈페이지를 봐 주십시오.
■공연정보「挽歌」
http://www.tomproject.com/freepage/banka-ko.html
お問合せ
茅野市民館指定管理者 株式会社地域文化創造
〒391-0002長野県茅野市塚原一丁目1番1号
TEL 0266-82-8222
開 館 9:00-22:00
休館日 毎週火曜日(火曜日が祝日の場合は、その直後の休日でない日)
〒391-0002長野県茅野市塚原一丁目1番1号
TEL 0266-82-8222
開 館 9:00-22:00
休館日 毎週火曜日(火曜日が祝日の場合は、その直後の休日でない日)
主催:茅野市民館指定管理者 株式会社地域文化創造
後援:茅野市、茅野市教育委員会、信濃毎日新聞社、長野日報社、信州・市民新聞グループ(7紙)、長野エフエム放送株式会社、エルシーブイ株式会社、株式会社長野こまち、月刊ぷらざ、EVENT-NAGANO、東日本旅客鉄道株式会社長野支社、諏訪地方観光連盟、茅野商工会議所、信州諏訪農業協同組合、読書の森 読りーむinちの
後援:茅野市、茅野市教育委員会、信濃毎日新聞社、長野日報社、信州・市民新聞グループ(7紙)、長野エフエム放送株式会社、エルシーブイ株式会社、株式会社長野こまち、月刊ぷらざ、EVENT-NAGANO、東日本旅客鉄道株式会社長野支社、諏訪地方観光連盟、茅野商工会議所、信州諏訪農業協同組合、読書の森 読りーむinちの